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バイラル広告とは?
バイラル広告とは、主にSNSやブログなどでの口コミによって商品・サービスが話題になるよう制作された広告のことを指します。また一部ではバズマーケティングとも呼称されます。
バイラルの意味
バイラル(viral)とは「ウィルスの」もしくは「ウィルス性の」という意味を持ちます。バイラルという言葉は英語であり、日本で云われる「ウィルス」という単語は英語の発音に寄せられていません。
むしろラテン語などに近いとされています。このため直感的には分かりにくい名称かもしれません。
SNSなどの情報を共有できるサービスは、バイラルメディアと呼ばれることもあります。
バズという名称
また同時にバズマーケティングのバズ(buzz)とは、もともと虫の羽音などを指し、そこから人のざわめきや噂を指すようになりました。
インターネット上は一般名詞となりつつあり、日本では「バズる」という言葉がTwitterなどで使われ、リツイート数などの多いツイートを意味するようになっています。
またインターネットのニュースメディアには、こうしたバズという名称を冠したものも増えてきています。
特性
口コミによって広まる
バイラル広告では、インターネット上のサービスを介して口コミで良い評判が広まることを期待して制作されます。
口コミといえば口コミサイトを想像しがちですが、それよりもバイラルメディアでの拡散力には瞬発力があり、また同時に爆発力もあります。
口コミサイトでは商品やサービスの評判を継続的に掲載していますが、バイラルメディアでは時事ニュースや海外の出来事など、日本でのマーケティングと無関係なものもバズることがあります。
インフルエンサーの役割
インフルエンサー(Influencer)はインフルエンス、つまり影響の強い人を指し、インフルエンザのように拡散する力のある人を指します。
主にインターネットの世界で使われる言葉で、有名人もその一端を担ってはいますが、アルファブロガー・アルファツイッタラーと呼ばれる人々が、その読者やフォロワーに対しいろいろな情報を拡散していくことが多くあり、既存メディアに姿を現さない人も当然います。
現在では沈静化しつつありますが、以前はステルスマーケティング(ステマ)が強く問題視されていたので、インフルエンサーに依頼する際は今でも注意を怠らない方が良いでしょう。
分かりやすい例を挙げると、2016年末にジャスティン・ビーバーがピコ太郎のPPAPの動画をTwitterで「好きな動画だ」とツイートしたことにより全世界的に知られるようになったことが挙げられます。
インターネットの特性を強く利用している
近年ではインターネットでの意見交換・評判の流布が一般的になり、あまりインターネットに詳しくない人でも気軽に参加し、またTVなどでもインターネットのニュースが盛んに報道されています。
これまでのTV・新聞といったメディアでの広告は、制作し放映・掲載するだけでしたが、バイラル広告では一般消費者がその媒介を果たします。
メリット
費用が抑えられる
バイラル広告は「アイディア次第」と言われ、どれくらい多く予算が割けるかではなく、どういった手法であれば一般消費者に拡散してもらえるかを模索するマーケティングです。
場合によってはTwitterでの1つのツイートがきっかけで購買意欲を刺激することができることもあるでしょう。
爆発的な効果があることも
SNSでは様々な人たちがいろいろな情報を拡散・共有しているので、閉鎖的に利用している人でない限りは多く拡散されている情報ほどさらに多くの人に届きやすい情報になります。
また場合によってはインターネットサイトやTVメディアでも人気が出ていると報道される可能性があり、さらなる爆発力が期待できるのです。
デメリット
方法論が確立されていない
費用が抑えられるメリットであった「アイディア次第」とは、裏を返せば方法論が確立されていないことであり、方法論が確立されたとして画一的になれば風化しかねないマーケティング方法です。
また新しい情報が現れ古い情報が忘れられるサイクルも早くなっているので、瞬間的な爆発力はあっても持続性がないケースもあるでしょう。
大きく失敗すると炎上する可能性がある
インターネット、特にSNS上での情報の拡散においてもっとも忌避すべきリスクは、炎上でしょう。これはバイラル広告に限ったことではなく、TVでの一般的なCMでもジェンダー論の視点から炎上することがあります。
こうした炎上を避けるにはジェンダーや古い家族観などを極力用いず、共感を得られる広告を制作することが重要でしょう。
おわりに:広告としての価値観
インターネットでのブログやSNSを介した口コミは、いわば巷間での世間話がとても大規模になったものだと言えます。
規模が大きい分、爆発力や良い印象が拡散されたときの効果は大きくなるでしょう。しかしその大きさがデメリットとしてのリスクも拡大させてしまっているのが難点です。
バイラル広告でも広告としての本質は変わりません。しかしこれまでと同様の価値観では人気を博すものが制作できる確証がないのがインターネットの世界なのです。