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ブランド・エクイティとは?
ブランドには消費者からの視点が大事
企業などにとって、企業自体やブランドが消費者からどのように見られているか、というのは常にとても大切な問題です。
そしてそれを改善し続けていくのも基本的な課題です。
そんな中、「ブランド・エクイティ」という言葉をご存知でしょうか?
ブランド・エクイティは有用なブランド構築に際して、極めて重要な工程です。
では「ブランド・エクイティ」とはいったいどういったものなのでしょうか。
一緒に見ていきましょう。
エクイティとは資本
エクイティ(equity)とは資本のことを指します。
直訳すると「公平」とされますが、日本語でエクイティを資本と訳すのは、バランスシートなどでも慣例的に使用されています。
バランスシートは企業などの財政のうち、保有している資産(アセット)や負債(ライアビリティ)を確認するために使われます。
ブランド・エクイティは企業などのブランドが保持している資産価値を表し、消費者からの視点でブランドを見るときに使われるものです。
アメリカのダートマス大学でマーケティングやブランドのマネジメントを教えているケヴィン・レーン・ケラーが提唱しました。
マーケティングの中では、特に「顧客ベースのブランド・エクイティ(Customer-based brand equity)」が重視されます。
細かくは後述しますが、顧客ベースのブランド・エクイティは「ブランド・ビルディング・ブロック」とも呼ばれ、ブランドが深く認知され共感を得るに至る過程を示します。
ブランドの消費者視点での価値
ブランドとは企業などが主体となって作っていくものですが、その価値を見出すのは当然ながら顧客、すなわち消費者になります。
消費者の視点を欠いては、ブランドは成立しません。
企業がみずからのブランドを定義することは、「ブランド・アイデンティティ」と呼ばれます。
ブランド・アイデンティティ(企業目線)とブランド・エクイティ(消費者目線)には通常ギャップがあるので、それを埋めるのが課題となります。
たとえ製品を製作・販売している企業でも、ブランドというのは無形ですので、「印象」について探ることになります。
そしてブランド・エクイティはそのブランドの価値そのものを示すものですので、いかに重要で、いかに困難なものであるかわかることでしょう。
顧客ベースのブランド・エクイティ
6つのブロックから構成されるピラミッド
「顧客ベースのブランド・エクイティ」は、6つのブロックから構成されるピラミッドを指します。
それぞれのブロックは「セイリエンス」「パフォーマンス」「イメージ」「ジャッジメント」「フィーリング」「レゾナンス」と定義されています。
まずセイリエンス(salience)は「突出していること・目立つこと」を意味し、ブランドの最初の起点としてアイデンティティを築き、他の製品・サービスから突出性を見出すことから始まります。
パフォーマンス(performance)とイメージ(imagery)は、ブランドの実用性と印象をしっかりと確立する段階を示します。
ジャッジメント(judgments)とフィーリング(feelings)は、消費者のブランドに対する判断・感情を指し、好意的に受け取られることを目指す段階です。
最後のレゾナンス(resonance)は「共鳴」を意味し、消費者がどれほどブランドに共感できているかを意識し、ブランドを高次な段階へ構築する最終目標を示します。
レゾナンスが最後の目標
最後のレゾナンスを目指すことが最重要であり最終目標なので、ときおり「レゾナンス・ピラミッド」とも呼ばれます。
セイリエンスをピラミッドの最底辺の初期段階として、2段目にパフォーマンス・イメージが、3段目にジャッジメント・フィーリングが、そして頂上にレゾナンスが位置します。
さいごに:マーケティングに消費者の視点は大事
ブランド・エクイティはブランドの基礎ともいえる重要な価値を意味します。
そしてブランド・エクイティが消費者からの視点であり常に重要であるように、マーケティングとは消費者からの視点を欠くことは顧客離れに繋がりかねないものです。
ただ印象をよくするというためのブランド構築ではなく、顧客ベースのブランド・エクイティの各ブロックに沿うような意義のある健全なブランド構築を目指しましょう。