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「AIDMA」は20世紀初頭に提唱された理論
購買行動モデルの元祖「AIDMA」
マーケティングの世界では広告をすることで、どのように消費者が反応し、購入に至るのかを示すモデルがいくつかあります。
その中でも存在する有名なモデルが「AIDMA」です。しかし中にはこのAIDMAを「古い」と評価する人がいます。
AIDMAはやはり古いモデルなのでしょうか?
マーケティングにおける消費者の行動性向がモデルとして明確に大きく提唱されたのは、「AIDMA」が最初です。
アメリカにて1920年代にアメリカでAIDMAは提唱され、現在になっても有用とされている購買行動モデルのひとつです。
「AIDMA」の特徴
AIDMAは、Attention(注意)・Interest・(興味)・Desire(欲求)・Memory(記憶)・Action(購入)という段階の頭文字からなっています。
テレビや新聞のCM・広告を閲覧することで「注意」を刺激され「興味」を感じ、「ほしい」と感じた後に重ねて広告を見ることで「記憶」となり、最終的に「購入」に至る、というモデルです。
しかしマーケティングを担当する人々、マーケターの方の中にはこのAIDMAをたしかに「古い」と斬り捨てる人がいます。
実際、100年近く前の考え方です。しかしこのAIDMAと似たような手法で、現在はモデルを更新・最新化させているのです。
インターネット時代の「AISAS」、バイラルメディア世代の「SIPS」
「AISAS」は、Attention(注意)・Interest(興味)・Search(検索)・Action(購入)・Share(共有)という段階の頭文字からなっています。
そ広告を閲覧することで「注意」を刺激され「興味」を感じ、情報を「検索」して「購入」した後で、その商品・サービスの情報・体験をSNSなどで「共有」する、というモデルです。
「SIPS」は、Sympathize(共感)・Identify(確認)・Participate(参加)・Share & Spread(共有・拡散)という段階の頭文字からなっています。
企業やブランド・商品に「共感」を覚え、情報を「確認」した後で、アプリを利用したりキャンペーンに「参加」したりし、SNSや口コミサイトで情報・体験を「共有・拡散」する、というモデルです。
重要な「S」の視点
「AIDMA」と「AISAS」「SIPS」を比較すると、後者の「S」の意味合いがその違いを大きく反映していると言えます。すなわち「Share(共有)」という項目です。
「AIDMA」が古いとされる原因のひとつとして、広告する側の視点のみであって消費者からの目線がない、というのが挙げられます。
「AISAS」ならびに「SIPS」で取り入れられた「S」の項目は、現在のインターネットで一般消費者が行っている情報の共有を表しています。
「バズ」の強み
こうしたマーケティングの観点から、SNSや口コミサイトのバイラルメディアが重視される理由として挙げられるのは、テレビや新聞と違って広告費を払う必要がないケースがあるということです。
そして「バズ」といった言葉に見られるように、バイラルメディアでは消費者がみずから情報を「拡散」し、宣伝として自走することで機能を果たしてくれるのです。
特に「SIPS」では購入というアクションよりも、キャンペーンなどに消費者が参加することを重視しており、メディア上でのコミュニケーションとして広く情報が知れ渡ることに重きを置いています。
さいごに:共存できるのであればその方が良い
歴史から考えれば100年近く前のモデルであるAIDMAはたしかに「古い」といえるかもしれません。
しかし高齢化社会である日本で、パソコンやデジタルデバイスに長けていない高齢の方々が存在することを考えると、時代の趨勢だからと簡単にAIDMAを捨て去るのは尚早であるとも言えます。。
またインターネットでは情報が矢継ぎ早に流れるため、一部の人々には疲れるメディアであるともされています。
インターネットは攻撃的と見られることもあり、またテレビは未だ娯楽的なメディアとして健在です。
新しく強いものが現れたときに、何も体すべてをそちらに預ける必要はありません。上手に共存できるのであれば、両方とも活用すればいいのです。